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ハワイに暮らすひと

カマカ・ファミリー ウクレレ・メーカー
「カマカの名を使う限り、いい加減なウクレレを作るな」

 ホノルル市カカアコの工場で、10名足らずのグループを前に、ウクレレをやさしくなでながらウクレレについて熱っぽく語るフレッド・カマカ・シニア。カマカ・ウクレレの創始者、サミュエル・カマカの息子で
今年82歳になるフレッド・シニアは、火曜から金曜まで毎朝ウクレレ工場見学ツアーを催行している。1916年の創業以来、クオリティの高さを頑なに守り続けているウクレレ・メーカーは、フレッドも含めた四世代に渡るカマカ一族によって成り立っている。

  1920年代にサミュエル・カマカが生み出したパイナップル型のウクレレは多くのミュージシャンに愛され、ビジネスは順調に伸びて行った。二人の息子、サミュエル・ジュニアとフレッド・シニアも学校帰り、毎日工場に寄ってウクレレ作りを学んだ。
「戦争から帰った時、コアで家具を作ろうとしたんだよ。そしたら親父が怒ってねえ。それで大学に行くことにしたんだ」。
  フレッド・シニアは父親の思い出をユーモアたっぷりに織り交ぜながら、工場を案内していく。フレッド・シニアとサミュエル・ジュニアがウクレレ作りから離れたのは徴兵期と大学生活の間だけで、その後1953年に父が亡くなった時、兄弟二人がカマカ・ウクレレを受け継いだという。

「ウクレレ製造工程での最終チェックは、絶対にカマカがしなくちゃいけないんだ」。
  力強くカマカのポリシーを説くフレッド・シニアが工場の二階で紹介してくれたのは、サミュエル・ジュニアの息子で自分には甥にあたる現在のプロダクション・マネージャー、クリス・カマカ。演奏者としても活躍するクリスは、毎日約25本作られるウクレレのすべてを厳しくチェックし、品質管理を徹底している。クリスの弟ケイシーはカスタムメイド専門のウクレレ職人。ジェイク・シマブクロなど一流ミュージシャン用の特別製だけを作っている。米国本土の大学でエンジニアリングを修めたフレッド・シニアの息子、フレッド・ジュニアは「コンピューターを導入したから設定だけしてほしい」と父に頼まれてハワイに里帰りして以来、ファミリービジネスから離れられなくなった。現在は経営一般を執り行うビジネス・マネージャーとしてクリス、ケイシーと共に三世代目のカマカ・ファミリーが中心になってカマカ・ウクレレを盛り上げている。

 創業90周年を迎えた今年、50年間ウクレレを作り出してきたカカアコの工場が移転する計画が持ち上がっている。規模を大きくするためだけではなく、温度や湿度に左右されるコアの木を管理しやすい環境、従業員の労働環境がより良くなる場所を探しているという。将来はパイロットになる夢を持っているクリスの息子カマヌは、四世代目の後継者として現在はウクレレの修理部門に関わっているのだと、クリスはうれしそうに語ってくれた。

 15分くらいと聞いていた工場見学ツアーは、饒舌なフレッド・シニアにかかると延びることがあるらしく、この日も終わったのは約1時間を過ぎたころだった。その彼がツアーの最後に強調した言葉がある。
「カマカのウクレレには、父サミュエルの教えが生きている。父はいつも言ったものだ。『カマカの名を使う限り、いい加減なものを作るな。品質と音質、これは絶対に下げてはならない』と」。
  この言葉は余韻となって今も心に響いている。

【写真上】フレッド・カマカ・シニア
【写真中】フレッド・カマカ・ジュニア&クリス・カマカ
【写真下】1920年代にサミュエル・カマカが生み出したパイナップル型のウクレレ

Kamaka Hawaii Inc.
550 South Street TEL 531-3165
工場見学ツアー 火〜金曜 10:30〜

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