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アウトリガー・カヌーを始めたのが三年前。毎年クラブを転々として、今のクラブは通算四つめになる。だからといって、私は気が変わりやすい性質というわけではない。自分で移ることを選んだクラブもあれば、移らざるを得なかった事情もあるからだ。 長距離シーズンに、クルーの頭数をそろえるためにクラブ間を移動するのはよくあることで、これが私が最初の一年間に二つのクラブを経験した理由だ。シーズン半ばのある日、コーチから「明日から隣のクラブに行ってくれる?クルーが足りないそうだから」と気軽に言われ、同じクラブから三名が移動。初めは売りに出された子牛の気分だったが、結果としては出られると思ってなかったモロカイ・レースに出られたため、「コーチ、よくぞ私を追い出してくれた」と感謝感謝。 翌年のシーズン直前、「クラブが無くなりました」というメールが最初のコーチから来た。クラブの名前とカヌーを誰かに売却して、自分は他のクラブに移るという。さらに、またもや気軽に「今度のクラブもすごーくいいところだから、一度練習においでよ」と電話してきた。たまたま練習に参加したらちょうどポットラックの日で、山盛りのおいしい料理にあっさりとやられてしまった。外に出された過去を忘れ、元のコーチに「ついていく」形でクラブを移動。そこは米軍関係の人が多く、日々鍛えているだけあって筋肉隆々、皆さすがに強かったのだけど、戦争やトレーニングのために入れ替わりが激しく、いつも同じメンバーで練習ができないのがマイナス要因でもあった。 かくして、今年は二年前にシーズン半分を過ごしたクラブに改めて加入。施設は充実しているし、クラブの人とはオフタイムを一緒に過ごすほど仲がいいし、とりわけ新しいコーチがすばらしく、申し分ない。今思うと、いったいなんで昨年ここにとどまらなかったのか、不思議なくらい。来年も、いやできるだけ長くこのクラブに居ようと思う。 あっちこっちのクラブを経験することができたのも、元はといえばメンバーどころかクラブそのものをも売り飛ばす、くだんのコーチのおかげなのだが、そんな人に最初についたのも何かの縁だ。海でときどき会う彼は、今はまた別のクラブで教えている。ぐるぐると回り回っていつか一緒のクラブになるかもしれない。あるいは、いつか気軽に「うちのクラブに来ない?」とお誘いがかかるかもしれない。その時、交換留学生みたいな気分でOKと言うか、居心地抜群のクラブにいるからNo, Thank youと言うか、どちらだってあり得る。ややこしいことに縛られず、自由にクラブを選べることが、ハワイのカヌー・コミュニティーのいいところだ。 さて、今年もそれだけをめざして練習してきた、9月23日のモロカイ・レース「ナ・ワヒネ・オ・ケカイ」はもうすぐ。三年かかってやっと見つけた理想のクラブを代表して、ぜひともレースに出たい。コーチ、お願いだから他のクラブに私を出さないで、クルーに選んで下さいね。
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