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今年でハワイ在住8年目を迎えた。 ある日、カヌークラブのコーチがみんなを数名のグループにわけて、紙とペンを手渡した。「カヌーパドラーとして必要な精神を、ハワイ語で書きなさい」 ハワイの言葉と言えば、まっ先に思い浮かぶのが「アロハ」だ。まっ先に浮かんで、その後に続くものがない。アロハは「こんにちは」や「さようなら」の挨拶として、また愛情や他人を思いやる心を映す言葉として、ガイドブックには必ずその意味が書いてある。在住ライターとしては、いつもお世話になっている言葉である。ハワイのイメージを表すのに便利な「アロハ」を、カヌーにだって当てはめたい。 謙遜(Ha'aha'a)、尊敬(Hoihi) 、調和(Lokahi)、忍耐(Manawanui)などなど、コンセプト自体は新しくない。むしろ古いからこそ不変の価値がある。社会生活をする上での基本ともいえるこれらの理念は、日本で教わった道徳観に通じ、普遍性をもって受け入れやすい。 現在日曜ごとにレガッタレースに参加しているが、毎週なるほどと納得するのがラウリマ(Laulima)である。協力という意味のこの言葉、まさしく6人乗りアウトリガーレースにはなくてはならない。まずは6人揃わなければレースに出られない。当日1人欠けたら5人に迷惑がかかる。ランチ係、テント張り係、カヌー運搬係など、分担した責任を果たさなければ他人に余分な仕事を負わせてしまう。ある日曜日、だけだったらいいけれど、毎週毎週2ヶ月間ともなると、途中で疲れが出てくる。休みたい、けど休めない。逆に言うと、自分が必要とされていると実感する、人間としてはありがたい機会でもある。家をさんざん留守にしても文句一つ言わず、「がんばってね」と応援してくれる夫にも感謝の気持ちが芽生え、またがんばる気にもなるのである。こうやって考えるとラウリマ、協力とはなかなか含蓄のある言葉だ。 8年目在住にしてハワイアン・カルチャーに開眼するために、けっこうな人びとのラウリマによって、まぶたを押し上げてもらっている。
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