トップページ 楽しむ 食べる・飲む ライフスタイル ショッピング 美容・健康 ドライブ 最新情報・読み物




第10話:Laulima ラウリマ


Paddlers carrying a canoe with "laulima"

 今年でハワイ在住8年目を迎えた。
 在住8年で、職業はライター。ハワイのことなら何でも知っている、と言い切らなければ仕事にならないのだが、本当のことを言うと知らないことだらけ。でもハワイ関連の本を読んだり、史跡を自分の足で訪ねたりと、常に仕事を通じてハワイについて見聞を深めることができる私は好運だ。さらに、エクササイズのために始めたアウトリガーカヌーに励みながら、巷では相当なブームのハワイアン・カルチャーに、今、ようやく片目が半分くらい開きかけている。

 ある日、カヌークラブのコーチがみんなを数名のグループにわけて、紙とペンを手渡した。「カヌーパドラーとして必要な精神を、ハワイ語で書きなさい」

 ハワイの言葉と言えば、まっ先に思い浮かぶのが「アロハ」だ。まっ先に浮かんで、その後に続くものがない。アロハは「こんにちは」や「さようなら」の挨拶として、また愛情や他人を思いやる心を映す言葉として、ガイドブックには必ずその意味が書いてある。在住ライターとしては、いつもお世話になっている言葉である。ハワイのイメージを表すのに便利な「アロハ」を、カヌーにだって当てはめたい。
「ア、アロハはどう?」
「そうねえ、入れとく?」
一人が同意してくれたのでグループの中では採用されたのだが、結果としてはコーチに一蹴された。そしてその日、私はカヌーパドラーとして知っておくべきいろんなハワイ語を教わった。

 謙遜(Ha'aha'a)、尊敬(Hoihi) 、調和(Lokahi)、忍耐(Manawanui)などなど、コンセプト自体は新しくない。むしろ古いからこそ不変の価値がある。社会生活をする上での基本ともいえるこれらの理念は、日本で教わった道徳観に通じ、普遍性をもって受け入れやすい。

 現在日曜ごとにレガッタレースに参加しているが、毎週なるほどと納得するのがラウリマ(Laulima)である。協力という意味のこの言葉、まさしく6人乗りアウトリガーレースにはなくてはならない。まずは6人揃わなければレースに出られない。当日1人欠けたら5人に迷惑がかかる。ランチ係、テント張り係、カヌー運搬係など、分担した責任を果たさなければ他人に余分な仕事を負わせてしまう。ある日曜日、だけだったらいいけれど、毎週毎週2ヶ月間ともなると、途中で疲れが出てくる。休みたい、けど休めない。逆に言うと、自分が必要とされていると実感する、人間としてはありがたい機会でもある。家をさんざん留守にしても文句一つ言わず、「がんばってね」と応援してくれる夫にも感謝の気持ちが芽生え、またがんばる気にもなるのである。こうやって考えるとラウリマ、協力とはなかなか含蓄のある言葉だ。

 8年目在住にしてハワイアン・カルチャーに開眼するために、けっこうな人びとのラウリマによって、まぶたを押し上げてもらっている。

文と写真:澄水ゆかし
【プロフィール】
短距離から、長距離はモロカイレース「ナ・ワヒネ・オケカイ」を完漕する、ワイキキヨットクラブ所属の自称“カヌーガール”。共著に双葉社発行『ハッピーグルメハワイ』『ハッピーハッピーハワイ』他。sponavihawaii.comにてブログ『カヌーガールのハワイ徒然記』を更新中。

「カヌーガールのトークストーリー」バックナンバー

※掲載されている写真の無断転載は一切お断りします。



「ハワイアイ」について広告掲載のお問い合わせ会社概要
About Hawaii-AiAdvertising InquiriesCompany Profile
Copyright© 2007-2008 iD8 Publishing All rights reserved