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私の中のハワイの風景


ハワイに暮らすようになって2年が経ったが、何を隠そう、私も日本で日々ハワイを夢みるHawaii Loverの一人であった。その当時は年に10日、いや1週間程度しか休暇が取れなかったので、ハワイで過ごせるのは1年を通しその期間だけ。それでも毎年「渡ハワイ」をし、自らのハワイ熱を冷ましていたのである。

 

家族や友人はそんな私を見て、ハワイのどこがそんなにいいのか? どこに行きたいのか? とよく聞いてきた。皆、ビーチやショッピングセンターなどという返答を期待していたようだが、私の一番の気に入りの場所は本屋であった。

 

旅行者としてハワイに来ていた時、一番好きだった書店は、カハラモールにあるBarnes & Noble。店内は広く、ひんやりとしていて、中にはコーヒーショップやトイレもある。そこで時間を気にせず、写真集を見たり、「読めそうな本」を探したりするのが滞在中、何よりも大切な時間だった。

 

最近は日本でも、ゆったりと本を選べるように、店内に椅子を用意している書店も増えたようだが、Barns & Nobleにも大きなソファが何脚もあり、皆ソファの横に本を積み上げて読書をしている。ソファは大柄なアメリカ人男性も、ゆったりと座れるであろうサイズなのだから、小柄な日本人はすっぽりと埋まってしまう。その「すっぽり感」にもハワイを感じていたものだ。

 

また、書棚の間を歩くと、床に直に座って読書をする人を見かけることがよくある。子どもなどは床に寝そべりながら本を読んでいたりもして、異国にいるのだなあと、妙に感心したりもした。

 

店内のコーヒーショップでは、コーヒーを飲みながら、「未購入の本」を読むことも出来る。小心者の私は、コーヒー染みや折りジワなどの心配をしてしまい、真似することができなかったが、書棚に汚い本が特に目立つという訳でもないので、皆気をつけて読んでいるのであろう。

 

ビーチで過ごすハワイももちろん好きだが、書店で、ゆったりと流れる時間の中を漂うのもいいものである。ある日、のんびりとした時間を書店で過ごした後、西日を浴びた椰子の木を見た。なぜか今でも脳裏に焼き付いている風景である。

 

忙しいときや疲れたとき、この私だけの「ハワイの風景」を思い出すたびに、ふうっと肩の力が抜け、リラックス出来るから不思議だ。このハワイ・マジックが、私がハワイに辿り着くことになった理由のひとつかもしれない。